不妊とは?

『不妊って子供が欲しくてもできないことでしょ?』

一般的には、そのように知られていますが、実はもう少しハッキリとした定義があります。

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。
日本産科婦人科学会

子供ができない原因と聞くと、女性の責任と考えている方が多いですが、不妊の原因は様々で女性だけが原因というわけではありません。

晩婚化のため不妊に悩む夫婦が増えている

そもそも、結婚している男女の10人に1人が不妊に悩んでいると言われます。
ただし、この数字はあくまで不妊治療に訪れた人の数から割り出した数字のため、実際にはこれ以上いると推測されています。

どうして、不妊に悩む夫婦が増えてしまったのか、その原因の1つが『晩婚化』です。

こちらのグラフを見てください。

厚生労働省の『初婚年齢と出生時の母の平均年齢の推移(http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15/backdata/01-01-03-029.html)』

1950年の初婚年齢

1950年の初婚年齢は、
男性25.9才
女性23.0才
です。

第3子を出生時の母の年齢を見ても29.4才ですので、30才を下回っています。

2014年の初婚年齢

それが2014年になると
男性31.1才
女性29.4才
です。

第1子の出生時の母の年齢が30.6才と、30才を越えています。

また、2015年の厚生労働省の報告によると全出産に対して、35歳以上の分娩が28.0%、40歳以上の分娩は5.3%であったということがわかっています。

出産時の年齢と妊娠率、流産率の相関関係

出産時の年齢と妊娠率、流産率には非常に強い相関関係があります。
こちらのグラフを見てください。

35才を過ぎてからの流産率はハッキリと上昇しているので目立ちます。

でも、よく見ると年齢とともに流産率は上昇し、妊娠率はさがっていることが分かります。
とくに30才を過ぎたらよりハッキリしてきます。

つまり、晩婚化によって不妊になっていくことが裏付けられているのです。
ただし、晩婚化で年をとるのは女性だけではありませんよね。

男性も年を取ってから結婚していますから、実は不妊の原因の半分は男性にあります。

不妊の原因の半分は男性

WHO(世界保健機構)の不妊症原因調査によると、男性のみが原因による不妊の割合は24%、男女両方で24%となっております。
つまり、不妊の原因の半分は男性にあると言えます。

年齢とともに精子老化が進み、数も減少していく

女性は35才を過ぎたら急速に流産率が上がりますが、男性も35才を過ぎると急速に精子の老化が進みます。

ただ30才を過ぎると少しずつ精子の老化も進んでいきますので妊娠しにくくなっていきます。

単純に考えてみましょう。

あくまで仮定の数字ですが、35才女性の妊娠率が80%、同じく35才男性の健全な精子の割合が80%だった場合、80%の確率で子供ができそうと思うかもしれません。

しかし、男女の協力で生まれる子供の場合、掛け算になります。

その結果、80%×80%=64%と実はガクンと確率が下がってしまいます。
だから、不妊治療は女性だけでなく、男性の協力も欠かせないのです。

※しつこいようですが、この割合は『仮定の数字』ですから、実際はそんな数字は存在しません。
 あくまで不妊の仕組みの説明のための数字です。

男性の不妊の4つの原因


では、実際に男性の不妊の原因はどういうものがあるのか見ていきましょう。

1,無精子症、精子減少症

無精子症・・精液中に精子を観察できない状態

精子減少症・・1回の射精量が0.5ml以下,あるいは精子数4000万/ml以下

無精子症をさらに細かく言えば、
精子は作られても精液と合流できない閉塞性無精子症と、
精子形成に問題がある非閉塞性無精子症があります。

参考:子宝ねっと(http://www.kodakara.jp/dansei_funin/noa.html)

どちらも治療方法がありますので、一度病院にご相談なさってみてください。

2,精路通過障害

精子の輸送路(精路)に異常をきたすことで射精をさまたげている状態です。

原因としては2つあります。

性感染症(STD)が原因の場合です。
精子の輸送路(精路)がふさがる場合もあれば、結核が原因となって炎症を起こしてふさがる場合もあります。

逆行性射精の場合は、精液が膀胱に入ってしまう状態です。
外科的な手術が必要となります。

参考:大阪府不妊専門相談センター(http://www.dawn-ogef.jp/funin-osaka/info-4_07.html)

3,奇形精子が多い

精子の頭部または尾部に異常がある場合です。

頭部が大きくなる巨大精子、小さくなる微小精子、2つに別れる双頭精子、2つ重なった双体精子
尾が折れ曲がった精子などを奇形精子といいます。

正常な男子でも10%以上は奇形精子が含まれます。
ポイントは、その割合が高すぎないかどうかです。

4,男性の機能障害

後は男性の機能障害です。
いわゆるEDです。

この他にも原因はたくさんありますが、主にこの4つに分けられます。

治療はさまざまあり、外科的手術、内服薬の服用、健康生活の見直しなどで子供は十分に可能です。
だから、まずは上記の症状に該当していないかどうかのチェックを受けてみましょう。

男性の不妊検査、精液検査の受け方

1,精液検査+地名で病院を検索

『精液検査+地名』
『男性 不妊検査+地名』

で検索しましょう。

たくさんの病院が出てきます。

その際、男性専門外来で保険を使わない病院はコストが5倍以上高くなる傾向がありますので、一般的な不妊治療の病院に行くことをおすすめします。

よく口コミを見てから決めましょう。

参考:子宝ねっと(http://www.kodakara.jp/dansei_funin/noa.html)

2,検査の流れは?

問診⇒精液採取⇒検査⇒診察

以上の流れです。
精液採取は院内に『採精室』がある場合と無い場合があります。
無い場合は、病院で採取のための入れ物をもらい、自宅などで精液を採ってから病院に持ってくることになります。

検査はすぐに済む場合と数日後になる場合もあります。
早い場合は病院に提出してから1時間で検査が終わります。

病院によってバラバラです。

3,精液検査はいくら?費用は?

診察代+検査費用になります。

診察代は病院によって変わりますが、保険適用だと1,000円前後です。

検査費用は、本当にピンきりで2,000円~10,800円になります。

男性専門で保険適用外だと高額になる場合があります。
安い場合は検査項目が削られている場合があります。

そのため、不妊治療を行っている一般の病院で検査項目を確認してから検査を行いましょう。

4,男性の不妊検査の3つの注意点

1,問診と診察をセットにする

検査結果の書類だけをもらってもよく分かりませんので、必ず項目ごとの意味を聞きながら自分で納得するまで質問しましょう。

そのためには診察とセットになっている病院を選びます。

2,不妊検査はWHOが推奨している4項目は絶対

1,精液量 1.5ml
2,精子濃度 1500万/ml以上
3,総精子数 3900万
4,運動率 40%以上

この4項目が分かる検査を行いましょう。
この4項目はWHO(世界保健機関)が標準で正常下限値を定めており、不妊検査に欠かせない項目になっています。

3,書面でもらう

口頭ではなく、書面でもらいましょう。
必ず診察した病院の名前入りでもらうようにしましょう。

彼氏を1人で精液検査に行かせる場合はその書面をお互いにみられるようにするためです。
理想は2人で病院に行き、2人で話を聞くことです。
その場合でも念のため書面でもらっておきましょう。

精子を老化させないための7つの対策


少しでも精子を老化させないために必ず次の7項目は守りましょう。

1,禁煙
2,飲酒は控えめに
3,精子を温めない
ブリーフではなく、トランクスに
4,男性ホルモンを抑える育毛剤を使わない
5,健康的な食生活
炭水化物を取りすぎず、バランスの良い食生活を心がける。
特に緑黄色野菜と鉄分をよく取る。

6,デスクワークの際は1時間に1回は立ち歩く
イスに座り続けず時々立ち歩く。

7,睡眠をしっかり取る
ショートスリーパー(短時間睡眠)が流行ってますが、医学的、科学的な根拠に基づくもの以外はやめましょう。
体調不良になります。

以上です。

最後に男性の不妊検査は、男性にとっても非常に緊張するものです。

『もし、子供ができにくい精子だったらどうしよう。』

真面目にあなたと交際しているなら、そんな不安は当然にあります。
今ならたくさんの治療方法もあります。

結婚後に子供ができない身体だったとなると、ショックも大きくなります。
お互いの幸せのために結婚前にちゃんと調べておきましょう。